24.09.2021 ニュース

ツィプリアン・カミル・ノルヴィト

2001年9月24日――偉大なポーランド人ロマン主義芸術家で、詩人、散文家、劇作家、彫刻家、画家、そして素描家であった、ツィプリアン・カミル・ノルヴィト(1821年9月24日ラスコヴォ・グウヒ~1883年5月23日パリ)の生誕から200年がすぎます。彼は人生の大半を亡命先で送りました――ドイツ、イタリア、ベルギー、イギリス、米国、そして最後はパリに居を定めました。

ノルヴィトはその創作において、ポーランド民族とヨーロッパの伝統を援用し、同時に大胆な革新者、社会・政界のさまざまな現象の批評家でした。愛国心を最高の価値に高めました。「祖国とは大いなる集合的義務である」といったノルヴィトの詩句は、永遠にポーランド国民の集合的意識の一部となりました。
ノルヴィトの最も有名な長篇詩は、『プロメテウスの子(プロメティディオン)』『某(クイダム)』『言葉の自由をめぐって』です。1865-66年には、彼の作品の中でも最も美しい詩篇連作『案内(ヴァデ=メクム)』が作られ、そこには「ベムの思い出に捧げる追悼狂詩曲」「ショパンのグランドピアノ」などの詩が含まれています。詩的散文の傑作は、『黒い花々』『白い花々』です。ノルヴィトの短篇小説の最高傑作に数えられるのは、『ライオンの方へ(アド・レオネス)!』『ブレスレット』『文明』『聖痕』です。次に挙げるのは、彼の最も有名な戯曲作品――『舞台裏で』『クレオパトラと皇帝』『大貴婦人の指輪』です。

日本語訳もあります――『アド・レオネス!』(沼野恭子訳)『黒い花々』(久山宏一訳)。戯曲『舞台裏にて』(1865)からは、イェジ・アンジェイェフスキの長篇小説『灰とダイヤモンド』の題辞が翻訳されました――「松明のごと、/なれの身より火花の飛び散るとき/なれ知らずや、わが身を焦がしつつ自由の身となれるを/もてるものは失わるべきさだめにあるを/残るはただ灰と、あらしのごと深淵に落ちゆく混迷のみなるを/永遠の勝利のあかつきに、灰の底ふかく/さんぜんたるダイヤモンドの残らんことを」(川上洸訳)

その近代ポーランド文学、さらにはポーランド文化への創造的貢献は巨大です。ポーランド共和国下院は、ツィプリアン・カミル・ノルヴィトのポーランド芸術とポーランド文化への功績を賛え、その生誕200周年にあたって、2021年をツィプリアン・カミル・ノルヴィト記念年に定めました。
写真:©Michał Szweycer – Polona.pl

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