2013年から日本の団体「フォーラム・ポーランド」は毎年、ポーランド広報文化センターとの協力・助成により、日本におけるポーランド文学最高傑作並びにポーランド史に関する知識の普及を目的に、出版企画「日本語で読むポーランド文化叢書」の枠組みで、書籍を刊行しています。
2023年12月、2冊の本が出版されました――日本語による「ポーランド古典文学叢書」シリーズからのスタニスワフ・ヴィスピャンスキ(津田晃岐訳)『婚礼』(未知谷)、そして「ポーランド史叢書」からの福元健之『王のいない共和国の誕生』(群像社)です。2022年までは、「ポーランド声楽曲選集」シリーズも出版されていました。
企画の発案者であり、主たる監修者であるのは、傑出した翻訳家であり、トランスアトランティク賞など多くの賞を受賞している関口時正教授です。2017年にはB・プルスの長編小説『人形』の翻訳に対して、「2017年度読売文学賞」と「2017年度日本翻訳大賞」を受賞しました。
文学シリーズからはこれまでに、以下の翻訳書が出版されています。
⁻ 第1巻:J・コハノフスキ(関口時正訳)『挽歌』(未知谷 2013年)
⁻ 第2巻:A・ミツキェーヴィチ(久山宏一訳)『ソネット集』(未知谷 2013年)
⁻ 第3巻:A・ミツキェーヴィチ(関口時正訳)『バラードとロマンス』(未知谷 2014年)
⁻ 第4巻:A・ミツキェーヴィチ(久山宏一訳)『コンラット・ヴァレンロット』(未知谷 2014
年)
⁻ 第5巻:S・アン=スキ(赤尾光春訳)『ディブック』/ヴィトルト・ゴンブローヴィチ(関口時正訳)『ブルグント公女イヴォナ』(未知谷 2015年)
⁻ 第6巻:スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェーヴィチ(関口時正訳)『ヴィトカツィの戯曲四篇』(未知谷 2015年)
⁻ 第7巻:B・プルス(関口時正訳)『人形』(未知谷 2017年)
⁻ 第8巻:A・ミツキェーヴィチ(関口時正訳)『祖霊祭 ヴィリニュス篇』(未知谷 2018年)
⁻ 第9巻:『ミコワイ・レイ氏の鏡と動物園』(未知谷 2021年)
⁻ 第10巻:J・コハノフスキ『歌とフラシュキ』(未知谷 2022年)
⁻ 第11巻:S・ヴィスピャンスキ(津田晃岐訳)『婚礼』(未知谷 2023年)
歴史シリーズからはこれまでに、以下の書籍が出版されています。
⁻ 福島千穂『ブレスト教会合同』(群像社 2015年)
⁻ 白木太一『一七九一年五月三日憲法』(群像社 2016年)
⁻ 梶さやか『ポーランド国歌と近代史――ドンブロフスキのマズレク』(群像社 2016年)
⁻ 安井教浩『リガ条約』(群像社 2017年)
⁻ 荒木勝『ポーランド年代記と国家伝承』(群像社 2018年)
⁻ 山田朋子『十一月蜂起とポーランド王国』(群像社 2019年)
⁻ 田口雅弘『第三共和国の誕生』(群像社 2021年)
⁻ 宮崎悠『戦勝記念碑とピアニスト』(群像社 2022年)
⁻ 福元健之『王のいない共和国の誕生』(群像社 2023年)
声楽曲シリーズからは以下が刊行されました。
⁻ 第1巻:小早川朗子、寺門祐子、平岩理恵編『ショパン歌曲集』(ハンナ 2014年)
⁻ 第2巻:小早川朗子、関口時正編『ポーランドのクリスマス聖歌 12のコレンダ』(ハンナ 2015年)
⁻ 第3巻:重川真紀、小早川朗子、関口時正編『カルウォーヴィチ歌曲集』(ハンナ 2016年)
⁻ 第4巻:平岩理恵、小早川朗子編『モニューシュコの家庭愛唱歌集(選)』(ハンナ 2017年)
⁻ 第5巻:重川真紀、小早川朗子、関口時正編『シマノフスキ歌曲選集Ⅰ』(ハンナ 2018年)
⁻ 第6巻:黄木千寿子、小早川朗子、関口時正編『≪詩篇』のための音楽――ミコワイ・ゴムウカ』(ハンナ 2021年)
⁻ 第7巻:重川真紀、小早川朗子、関口時正編『シマノフスキ歌曲選集Ⅱ』(ハンナ 2022年)