ヨーロッパの地理的な中心点は、ポーランドの首都ワルシャワから程近くに位置しています。一千年以上の歴史を通して、ポーランドは、ヨーロッパの強大国から亡国を経て、中東欧の経済的トップランナーへと変貌してきました。ポーランド企業の情熱、創造性、潜在力は、今日、世界に広く知られています。ポーランド人の不屈さ、連帯、また元教皇聖ヨハネ・パウロ二世の精神的権威によって、ポーランドは共産主義の抑圧を脱し、1989年に自由の国となり、豊かな伝統と習慣によって全世界数百万人の観光客を魅了しています。
文化と芸術は幾世紀も前から、ポーランド人の民族的アイデンティティを強め、かつ歴史上の最も辛い時代を生き延びる助けとなってきました。ポーランドのクリエイターは、常に世界に刺戟を与えつづけています。まさしくポーランドに、最も偉大な作曲家・ピアノ演奏家であった、フリデリク・ショパンが生れました。彼の楽曲は、世界最大の音楽コンクールの一つであり、1927年以来、ワルシャワで5年ごとに催されている、フリデリク・ショパン国際ピアノ・コンクールの課題曲です。ポーランドは、数々のノーベル賞受賞者、オスカー受賞者、グラミー賞受賞者の生地です。ヴィスワヴァ・シンボルスカ、チェスワフ・ミウォシュ、オルガ・トカルチュクなどのノーベル文学賞受賞者によって、ポーランドは、詩と小説が生まれる土地であるとの名声を獲得しました。文学の発展に好個の条件を与えているのは、ポーランド内外で4千万人以上の人が使っている、美しく響くポーランド語です。まさしくポーランド語によって映画作品を創造したのが、オスカー功労賞をはじめ、数々の権威ある映画賞を受賞した、アンジェイ・ワイダでした。グラミー賞を4度受賞した偉大な作曲家クシシュトフ・ペンデレツキもポーランド人でした。
ポーランドは、発明家と発見者の国です。ポーランド人科学者は、世界を変える重要な発見・発明を達成したことを誇りに感じる権利があります。ワルシャワに生れたマリア・スクウォドフスカ=キュリー。彼女は、時代を超越した学者と呼ばれ、今日に至るまで、ノーベル賞を2度受賞した(1903年と1911年)たった一人の女性であり、二つの異なる自然科学部門で受賞の栄に輝いたたった一人の科学者です。ノーベル化学賞を受賞した(ポロニウムとラジウムの発見によって)最初の女性であり、パリのソルボンヌ大学教授に任命された最初の女性であり、パリの医学アカデミー会員になった最初の女性です。また、ポーランド人物理学者のヤン・チョフラルスキは、後に現代電子工学の基礎となる、単結晶育成法を発見しました。この方法によって手に入るシリコン単結晶から、半導体機器が生れます。彼の功績で、コンピューター、タブレット端末、携帯電話、デジタル写真機、mp3再生機、その他の電子機器が作動しているのです。ポーランド人数学者のマリアン・ライェフスキ、イェジ・ルジツキ、ヘンリク・ジガルスキは、歴史上最も名の知られた暗号機、ドイツのエニグマ・コードを解読しました。その発見によって、彼らは第二次世界大戦終結に寄与したのです。
北はバルト海とマズーリ湖沼地帯から、国土中央部の平地を経て、南の山脈に至る地理的条件を有する、ポーランドは自然景観の魅力にあふれた国です。国立公園は23、自然保護区は1500、自然公園は145あります。ポーランドは、みなさまを活動的なリクレーションにお招きします――山歩き、輪行、川や湖のカヤック航行、ヨット、サーフィン、乗馬旅行(例えば、1800キロメートルという、ヨーロッパ最長のルートの一つが、国内中央部を貫通しています)、自然環境の中で生きている珍しい種の野鳥の観察などに。
ポーランドのたくさんの文化行事、音楽・映画・演劇イベントが、旅行者を魅了します。それらを主催するのは、ポーランドの諸都市です――いずれも、国際建築コンペで受賞した、他に類例を見ない建築で有名です。例えば、M・カルウォヴィチ記念コンサートホール(シュチェチン市)のとても美しい建物は、ポーランドの建物として初めて、ヨーロッパで最も重要なミース・ファン・デル・ローエ賞を受賞し、シュチェチン国立博物館(対話センター「転換期」)は、2016年に、ベルリンの国際建築フェスティバルで、世界最良の建物に認められました。世界建築地図に傑出しているポーランドの公共建築は、その他に、シェイクスピア劇場+〔連帯〕ヨーロッパ・センター(グダンスク市)、石炭炭坑跡に建設されたシロンスク博物館(カトヴィツェ市)、ポーランド・ラジオ局国立交響楽団本部(カトヴィツェ市)、クシシュトフ・ペンデレツキ記念音楽センター(ルスワヴィツェ村)、クリコテカ(タデウシュ・カントル博物館)(クラクフ市)、ワルシャワ蜂起博物館+ポーランド・ユダヤ人歴史博物館〔ポリン〕(ワルシャワ市)など。
こうしたユニークな文化施設を見学することで、ポーランドの複雑な歴史と特に第二次世界大戦の経験に関連した、ポーランド人の運命をその悲劇的な時代を含めて、通観できます。ポーランドは失われたものの再生を心がけています。記憶の守護者となり、第二次世界大戦中に失われたユダヤ民族の遺産を守っています――ポーランドにおけるポーランド人少数民族の現代文化の発展の支援を通してです。こうした支援の一つが、例えば、30年以上前から催されている、この種のものとしては世界で最も盛大で超域的な、数万人もの観光客が訪れる、ユダヤ文化フェスティバル(クラクフ市)です。
ポーランドはまた、映画・演劇・音楽愛好者を魅了します。「ワルシャワの秋」国際フェスティバルで、傑出した現代音楽の作者たちと出会うのは、そうした人々にとって、とっておきの贈り物です。撮影監督の映画祭エネルガ・カメルイメージ(トルン市)では、映画スターや世界的名声の映画撮影監督と出会えます。芸術的・視覚的・実験的な映画を紹介する国際映画祭「新しい地平線」では、全世界から参加するインディペンデント作家と出会えます。
ポーランドを訪れ、ポーランドの「今」をご覧になってください――目的は、たくさん!