11月14日~20日、第14回ポーランド映画祭が恵比寿ガーデンシネマにて開催されました。イェジ―・スコリモフスキ監督が監修するこの映画祭は、マーメイドフィルム、Valeria、Skopia Film、ポーランド広報文化センターおよびアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートが共催しています。
今年の映画祭で注目を集めたのは、ミハウ・クフィエチンスキ監督の映画『ショパン、ショパン!』の日本初公開でした。本映画の主演を務めるエリク・クルムは、日本では同監督の映画『フィリップ』で知られています。『ショパン、ショパン!』上映後は、本映画の美術で今年のグディニャポーランド映画祭にて美術賞を受賞した偉大な美術監督カタジナ・ソバンスカ氏とマルツェル・スワヴィンスキ氏を特別ゲストとしてお迎えしたトークも行われました。両氏はペアを組みながら映画、舞台、テレビの美術で幅広く活躍中で、主な作品は下記の通り。パヴェウ・パヴリコフスキ監督の映画『イーダ』や『COLD WAR あの歌、2つの心』、アグニェシュカ・ホランド監督『ソハの地下水道』、レフ・マイェフスキ監督『ブリューゲルの動く絵』、ミハウ・クフィエチンスキ監督『フィリップ』。
ポーランド広報文化センターの所長が司会を務めたトークイベントでは、ポーランドのみならず世界でも待望の最新作であり、ポーランド映画史上最も高額な制作費がかけられた映画『ショパン、ショパン!』の製作の裏側を両美術監督が明かしました。また、日本における特別なショパン像や「伝説的人物」の特徴を表現することの難しさにも言及しました。映画を鑑賞した観客も参加したこのトークイベントでは、マチェイ・カヴァルスキ監督による映画『人形』を含む、現在制作中の作品についても触れました。
本映画祭では、2025年映画賞ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー部門監督賞を受賞したマリア・ズボンスカ監督の映画『これは私の映画ではない』や、有名なポーランドのコミック作家タデウシュ・バラノフスキの作品をもとに製作された、ヴォイテク・ヴァフシチク監督のアニメ映画『ディプロドクス』も上映されました。
ポーランド映画の巨匠ヴォイチェフ・ハス監督生誕100周年となる今年、これを記念して本映画祭では同監督の映画シリーズを紹介する機会が設けられ、『バルタザール・コベルの驚くべき旅』(1988)、『砂時計』(1973)、『人形』(1968)、『サラゴサの写本』(1964)、『共同の部屋』(1959)が上映されました。また、映画上映後のトークイベントでは、ポーランド映画専門家の久山宏一先生にヴォイチェフ・ハス監督についてお話いただきました。
写真:ポーランド広報文化センター/Justyna Feicht














