24.12.2020 イベント, その他

V4クリスマス

第1話 (全8話):はじめに

ヴィシェグラード4カ国であるポーランド(2020年~2021年6月の議長国)、スロヴァキア、ハンガリー、チェコ。似たところもあり、違うところもある、中欧のこの4カ国のクリスマスの過ごし方を、今年は皆様にご紹介します。もし気に入ったところがあれば、今年のクリスマスに取り入れてみてくださいね♪

本日から毎日1話ずつ、お送りします。どうぞお楽しみに!

 

第2話 (全8話):テーブル装飾

クリスマスディナーは日本のお正月のように、家族が集まってゆっくりと過ごす時間です。プレゼントを用意したり、料理の材料を集めたり、クリスマスツリーを飾ったり、時間をかけて準備します。愛情や1年への感謝を込めて準備したクリスマスのテーブルとディナーです。4カ国のクリスマスのテーブルをのぞいてみましょう。 写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
今回はボレスワヴィエツ陶器を使いました。テーブルクロスの下に藁を入れるのは、イエスが藁の上で生まれたことから、まっさらなスタートと謙虚さの象徴と言われています。キャンドルを灯し、本来であれば12種類の料理(肉を使わない)を並べます。また、突然訪れるゲストのために、空のお皿のセットを用意しておきます。

【スロヴァキア】
テーブルには松の木の小枝、キャンドル、 ドライオレンジ、シナモンスティック、 ドライクローブを飾ります。 飾り付けはとてもシンプルで、クリスマスは 家族全員が集まり祝います。

 

【ハンガリー】
ヘレンド陶器は繊細で上品な印象を与え、クリスマスの日の雰囲気を盛り上げます。もみの木を使った卓上飾りを制作しましたが、それに似たキリスト教の伝統でクリスマス前の4週間の経過を象徴する卓上飾り、アドベントリースはキャンドルが4本、毎週日曜日に灯すキャンドルの数が増えていきます。ハンガリーはレース編みでも有名なので、それを飾ることもあります。パプリカパウダーをふんだんに使った鮮やかな赤色の魚のスープ(ハラ―スレー)や、くるくるとかわいいケシの実とくるみのケーキ、それ自体が装飾のようにテーブルを彩っています。

【チェコ】
胡桃の殻をろうそくにして、小船のように水に浮かべる装飾があります。宿り木の枝を置いたり、リンゴにクローブやオレンジの皮で作った飾りを刺したものをテーブルに置いて、ほのかなよい香りを楽しみます。リンゴにはキャンドルを刺します。

 

第3話 (全8話):クリスマスツリー

それぞれの家に用意されるクリスマスツリー。飾りつけは各国で異なり、また、各家庭でも異なります。あれこれ話し合いながら、時には軽く口論もありながら、最高のツリーを創り上げた後は、記念に写真も撮りたくなりますね。 写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
本物のモミの木を買ったり、知り合いを通じて調達するのが一般的ですが、毎年使えるプラスチックのものもあります。装飾は、手作りのものではジンジャーブレッドや、フエルトで作ったマスコット、リボン、紙で作る輪つなぎ、松ぼっくりなど。きれいなボンボン飾りは、ガラス製や樹脂製などよりどりみどりで、クリスマスマーケットに並びます。コレクションのように、毎年一つずつ購入する家庭も。

【スロヴァキア】
とうもろこしの葉を乾燥させて作った、とてもかわいらしい人形たちを飾ります。人形はパンや果物を持った人、物を運ぶ人、子どもをあやす人など様々。また、ジンジャーブレッドやジャムを挟んだクッキーも、装飾に使われます。

【ハンガリー】
わらやガラスの飾りを飾ったり、松ぼっくりを金色や白にペイントしたものを引っ掛けたり、立体的なレース編みの飾りを固めたものを飾ったり、ジンジャーブレッドを飾ったりします。本物のもみの木に飾り付けをするのが一般的です。色は各家庭で工夫し、クリエイティブで綺麗な装飾を施します。特徴は、サロンツコルというチョコレート菓子で、カラフルな包み紙でキャンディ包みになったものをツリーの下に台が見えなくなるまで並べたり、ツリーに飾ったりします。味も包み紙もメーカーによって異なりますが、量り売りもおこなっていたり、ツリーの装飾に合わせて選ぶのも一つの楽しみです。

【チェコ】
チェコではよく、クリスマスのオーナメントを家族みんなで手作りします。チェコはガラス工芸やビーズの生産が盛んで、その歴史は14世紀までさかのぼることができます。クリスマスには、美しいクリスタルビーズを使って星や花の形のオーナメントを作ります。 また、藁を編んで作った雪の結晶や、太陽を思わせる素朴で可愛らしいオーナメントも飾ります。

 

第4話 (全8話):クリスマスの料理

お待ちかねのディナー。この日は各国共通して、肉食を避けます。食べる魚は鯉が一般的です。V4のクリスマスと言えば、鯉料理なのです。その他、各国でそれぞれ特徴的な料理やお菓子を、見てみましょう。 写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
●ピエロギ:餃子のようなもの。もちもちの皮と、中はキャベツときのこ、カッテージチーズとマッシュポテトがクリスマス向き。
●きのこのスープ
●ジンジャーブレッド
●キャベツときのこの煮物
●バルシチ:具を入れないクリアスープに、小さなラビオリを浮かべる。
今回は用意ができませんでしたが、この他に煮野菜のサラダ、きのことそばの実のロールキャベツ、鯉、チーズケーキ、けしの実のロールケーキなどを含めて12種類用意します。

【スロヴァキア】
●鯉料理
●ポテトサラダ
●Kapustnica(酢キャベツのスープ)
●クリスマスケーキ

【ハンガリー】
●魚のスープ:ハラースレー。トマトベース、パプリカパウダーで赤くなる。白身魚を入れるが、最も一般的なのは鯉。
●チーズスナック
●ベイグリ(けしの実ケーキ、くるみのケーキ)
●ワイン

【チェコ】
●クバ(大麦とキノコを使った伝統料理)
●魚のスープ
●鯉のフライとポテトサラダ
●ヴァーノチュカ(甘いパン)
●クッキー

 

 

第5話 (全8話):クリスマスの歌

V4各国それぞれに、多くの聖歌や、クリスマスの時期に歌われる曲があります。今回はどこの国でも歌われており、日本でも親しまれている「きよしこの夜」の各国の歌詞をご紹介します。ぜひ歌ってみて下さいね! 写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
Cicha noc, święta noc,
Pokój niesie ludziom wszem,
A u żłóbka Matka Święta
Czuwa sama uśmiechnięta
Nad dzieciątka snem
Nad dzieciątka snem.

【スロヴァキア】
Tichá noc, svätá noc!
Všetko spí, všetko sní,
sám len svätý bdie dôverný pár,
stráži Dieťatko, nebeský dar.
Sladký Ježiško spí, sní,
nebesky tíško spí, sní.

 

【ハンガリー】
Csendes éj, szentséges éj!
Mindenek álma mély,
Nincs fenn más, csak a szent szülőpár
Drága gyermekük jászolánál.
Szent Fiú, aludjál!
Szent Fiú, aludjál!

 

【チェコ】
Tichá noc, svatá noc!
Jala lid v blahý klid.
Dvé jen srdcí tu v Betlémě bdí,
hvězdy při svitu u jeslí dlí,
v nichž malé děťátko spí,
v nichž malé děťátko spí!

 

第6話 (全8話):それぞれの特徴

項目別には書ききれなかった、それぞれの国のクリスマスの特徴をご紹介します♪
写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
12月24日の夕食には12種類の料理を用意しますが、この中にはいかなる肉も使用しません。この日は肉食と飲酒をしないことになっています。この日に一番星を見つけたら、プレゼントを開いても良いしるしです。 夕食の前に、白くて薄いウエハースを持って同席する一人ずつと、次の年の幸福や健康などを祈り交わしてウエハースを分け合います。このウエハースを、オプワテクといいます。

【スロヴァキア】
クリスマスには家族だけでお祝い します。クリスマスはとても キリスト教的なものでシンプルです。 12月24日の夜6時頃から夕食を取り、 その後でプレゼントの交換をします。 真夜中は、全員で教会に行きます。

【ハンガリー】
ハラ―スレーと呼ばれる魚のスープなどの魚料理やロールキャベツのほか、豆や木の実なども含めた幅広い種類の食材を使った様々な料理が用意され、焼き菓子などスイーツの種類が多いことも特徴です。サンタはクリスマスには来ないので、家族や友人同士でプレゼントを交換します。ちなみにサンタは12月5日から12月6日にかけてやってきます。

【チェコ】
チェコのクリスマスでは、肉食を避けて、鯉のフライにポテトサラダを添えて食べるのが定番です。 古くからの迷信として、先祖の霊がイブの日にやってくるため食器を多く用意する、奇数だと家族に不幸が起こるので食器は偶数にする、家族が離れ離れにならないようにテーブルの脚を縄やリボンで結んでおく…といったものもあります。 また、この日のためにたくさんの種類のクッキーを準備しておきます。子どもたちにとって、準備するのも食べるのも楽しみなイベントのひとつです。

 

第7話 (全8話):こぼれ話

「ふむふむ」「へぇ!」というような、ちょっと面白い話をご紹介します。
写真 (c) Maciej Komorowski

【ポーランド】
今回、準備をしている中で、それぞれが母語で話をしていたのですが、所々、耳を疑うほど似た言葉が聞こえました。特に、ポーランド、チェコ、スロヴァキアの間で顕著に見られました。飲み物の名前や、料理の名前など、古いポーランド語やポーランドの方言と似ているのでした。

【スロヴァキア】
クリスマスは家族で静かに過ごし、 新年は友人たちと派手に祝います。

【チェコ】
クリスマスには、リンゴやクルミを使って、ちょっとした占いをするのも伝統のひとつです。
 ①リンゴの切り口は…? リンゴを水平に二等分します。中央の種の部分が星の形になっていれば、次の年は幸運に恵まれ健康に過ごせると言われています。
 ②クルミの小舟 クルミの殻を半分に割り、そこにろうそくを立てた小舟を作ります。家族みんなで自分の小舟に火をともし、みんなで一斉に容器に張った水に浮かべ、その様子で占います。
・もしもみんなの船が集まっていたら、家族も仲良く集まっていられます。
・もし離れて行ってしまう船があったら、その船を浮かべた人は家族から離れて旅に出ることを示しています。
・もしも船が沈んでしまったら、その船を浮かべた人に不幸が訪れます。

 

最終話 (全8話):Merry Christmas and Happy Holidays!

8話にわたり、お付き合いいただきありがとうございました!

最後に、今回のお話をまとめた動画をお送りします。

V4のクリスマスの温かく、幸せな雰囲気が皆様にも伝われば嬉しいです。

動画撮影・制作:Maciej Komorowski

Wesołych Świąt! // Veselé Vianoce! // Boldog Karácsonyt! // Veselé Vánoce!
楽しいクリスマスを!

 

 

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