今から30年前の1991年2月15日、ポーランドとチェコスロバキアの大統領、そしてハンガリーの首相が、ハンガリーのヴィシェグラード城で、「欧州統合を目指すチェコおよびスロバキア連邦共和国、ポーランド共和国とハンガリー共和国の協力に関する宣言」に調印しました。
宣言は、ポーランド・チェコスロバキア・ハンガリーの幅広い協力と私たち三か国(後に四か国)社会の接近への政治的枠組みを作りました。共同体の当初の目的は、国家としての完全な独立の回復、民主主義と自由、全体主義体制の遺物の撤廃、議会制民主主義の建設、人間の権利と人間の基本的自由の尊重、市場経済の創造、欧州の政治・経済組織と安全保障・立法組織へのあらゆる側面での一体化、これらを志向することでした。この第一段階の象徴的な有終の美であり、V4協力の新しい可能性を開いたのは、私たちの国々がNATO、続いてEUに加盟したことでした。
今日、ヴィシェグラード・グループの国々は変わることなく、友情と善き隣国としての協力、さらには同様の社会的・経済的課題の意識、地域的連帯から生まれる価値観の理解、また欧州・対外政策における共通の目的を実現する意志によって、結び付いています。
30年を経て眺めると、V4グループは、単に新しい統一ヨーロッパの象徴、私たちの地域諸国家という成功した政治的・経済的転換の象徴の一つとなっただけでなく、EU政治に共同して参画し、その経済的競争力を増強させる、EU枠内における地域協力の有効な形の実例となりました。
しかしV4は、政治的協力に留まるものではありません。私たちの協力を象徴する組織の一つは、2000年に活動を始めた国際ヴィシェグラード基金であり、これは、これまでにのべ2400人分近い奨学金を提供し、まずは私たち4か国、さらには東方パートナーシップと西バルカン諸国のNGO・地方自治体・研究者・芸術家企画の実現を6千件弱、支援してきました。
私たちは、ポーランドがV4グループ議長国を務める2000年7月から2021年6月までの期間に、同グループの重要な記念年が巡ってきたことを、嬉しく思います。