11月22~27日、恵比寿ガーデンプレイス内東京都写真美術館(Tokyo Photographic Art Museum)にて、第11回ポーランド映画祭(東京)が開かれました。6日間で、10本のポーランド映画が計24回上映されました。
映画祭では、イェジ・スコリモフスキ監督『EO』、ダミアン・コツラ監督『パンと塩』、トマシュ・フラボフスキ監督『愛についての歌』、イェジ・スコリモフスキ監督『イレブン・ミニッツ』のような新しい作品が紹介されました。
ソ連全体主義の実相を描いた、アグニェシュカ・ホランドの映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』は、現代ウクライナで起きている一連の出来事にそのままつながる作品でした。映画上映は、1932~1933年にソ連によってウクライナで引き起こされた大飢饉(ホロドモール)の犠牲者を追悼するために制定された「大飢饉と政治的弾圧の犠牲者を心に刻む日」の行事と時を同じくして行われました。
本イベントはまた、今年2022年に生誕90周年を迎えるヴォイチェフ・キラルが音楽を担当した、アンジェイ・ワイダ監督『パン・タデウシュ物語』『コルチャック先生』、フランシス・フォード・コッポラ監督『ドラキュラ』といった古典的名作を思い返す機会でもありました。
映画祭では、記録映画が上映されました――ジャズ・ピアニストのレシェク・モジジェルが出演しているヨアンナ・カチマレク監督『ショパン 暗闇に囚われることなく』、第二次世界大戦中のポーランド人外交官によるユダヤ人救出をめぐるヤツェク・パピス監督の映画『ポルミッション(ポーランド在外公館) パスポートの秘密』です。上映に合わせて特別ゲストによるトークが催されました――映画『ショパン 暗闇に囚われることなく』の製作者マチェイ・パヴェウチクは、映画誕生の舞台裏について話し、ヴァルミャ・マズリ大学(オルシュティン市)のマレク・ソコウォフスキ教授は、ポーランド映画祭(東京)の監修者でもあるイェジ・スコリモフスキの人物と作品を日本の観客に解説しました。ゲストとのトークと映画解説を、ポーランド広報文化センターエクスパートである久山宏一と杉浦綾が行いました。
映画祭主催者は、ポーランド広報文化センター、アダム・ミツキェヴィチ・インスティトゥート、日本側協力者(マーメイドフィルム、Valeria)、そしてスコピア・フィルムです。
詳細な上映日程と映画情報:https://instytutpolski.pl/tokyo/pl/festiwal-filmow-polskich-2022/
写真:ポーランド広報文化センター/マチェイ・コモロフスキ