2023年5月14日、東京のBooks&Caféドレッドノートで、日本のノンフィクション作家小林文乃さんが著した『カティンの森のヤニナ 独ソ戦の闇に消えた女性飛行士』の出版記念イベントが開かれました。
『カティンの森のヤニナ』は、1940年にカティンで虐殺された唯一の女性兵士ヤニナ・レヴァンドフスカ(旧姓ドヴボル=ムシニツカ)の足跡を追って、著者の小林さんがさまざまな地理的空間と歴史的瞬間を旅した紀行文です。本書執筆のために、作家は数回のポーランド・ロシア視察旅行を行い、さらに歴史的記録の緻密な分析を行い、それがムシニツキ一家の興味深い歴史の発見という成果をもたらしました。
トークイベントの司会は、書店主の鈴木宏典さん。ヤニナ・レヴァンドフスカとカティンの森事件についての情報提供プレゼンの後、著者は自らのポーランド滞在と著書のための資料収集プロセスについて語りました。イベントでは、ポーランドによるカティンの死体発掘・考古学調査で集団墓地から掘り出された遺品、その他の写真が投影されました。こうした資料は、ポーランド広報文化センターによって、カティン博物館=ポーランド軍博物館(ワルシャワ)受難の歴史部の収蔵品から入手されたものです。
写真:鈴木宏典/ドレッドノート