12月6~9日、来日したポーランド劇団ヴィエルシャリンによる舞台『コンラットを踊る』が東京のシアターXにて上演されました。同劇団は、1991年、演出家ピョトル・トマシュクによってビャウィストク近郊スプラシルで設立されました。
『コンラットを踊る』は、アダム・ミツキェーヴィッチ作『祖霊祭』第三部より「偉大なる即興」を劇団ヴィエルシャリン所属俳優ラファウ・ゴンソフスキ+ダリウシュ・マティスが演じ、そこにポーランド国立バレエ団所属バルトシュ・ジシュクのバレエによる即興とアレクサンドラ・シフィグット(ワルシャワでの第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位入賞)のピアノによる即興を加えたものです。
公演に合わせて、観客との質疑応答、マグダレナ・リビイ写真展が行われました。展示されていたのは、スプラシルの「行間に(ミェンジ・ヴィエルシャミ)2022」フェスティバル期間中に、劇団ヴィエルシャリンで『コンラットを踊る』が3回即興上演されていた間に撮影された印象写真です。写真は、クニシン原生林の原木で作られた板に転写されました。
東京での『コンラットを踊る』プロジェクトによって、アダム・ミツキェーヴィッチ作『祖霊祭』第三部抜粋の史上最初の日本語訳が誕生しました。翻訳されたのは、第三部序文、「コンラットの独白」、「ピョートル神父の幻視」です。翻訳を行ったのは日本を代表する関口時正教授(トランスアトランティク賞など受賞)です。
今回は、2013年に舞台『マネキン人形論』を上演して以来、10年ぶり二度目のヴィエルシャリン劇団日本公演でした。
日本における劇団ヴィエルシャリンの『コンラットを踊る』プロジェクトは、「インスピレーションを与える文化」プログラムの一環として、ポーランド文化・国家遺産省から資金助成を受け、ポーランド広報文化センターが後援しました。
写真:マグダレナ・リビイ および ポーランド広報文化センター