26.11.2025 ニュース, 文学

小林文乃著『カティンの森のヤニナ 独ソ戦の闇に消えた女性飛行士』、ポーランド外務大臣主催「最優秀歴史書コンテスト」特別賞受賞

ポーランド外務大臣主催「最優秀歴史書コンテスト」審査委員会によって、2023年と2024年を対象とする今年のコンテストの結果が発表されました。本コンテストの「ポーランド史に関する最優秀外国語出版物」部門において、数々の受賞作がある中、小林文乃著『カティンの森のヤニナ 独ソ戦の闇に消えた女性飛行士』が特別賞を受賞しました!おめでとうございます!

本書は、ユゼフ・ドヴボル=ムシンスキ将軍の娘であり、1940年の「カティンの森の虐殺」の犠牲者で唯一の女性兵士ヤニナ・レヴァンドフスカに焦点を当てた歴史紀行ノンフィクションです。

本書で著者が紹介するのは、ドイツ軍による墓の発見を背景とした「カティンの森の嘘」の歴史、ポーランド人将校の運命に関して巧みに情報操作を行ったスターリンの卑劣さ、連合国によるソ連の虐殺問題の無視、終戦後にこの問題を支配した沈黙、そして、傀儡政権としてソ連に支配されたポーランド人民共和国時代においてこの虐殺の痕跡が社会の記憶から抹消された事実です。

なお、「ポーランド史に関する最優秀外国語出版物」部門の最優秀賞には、Clare Mulley著『Agent Zo: The Untold Story of Fearless Resistance Fighter Elżbieta Zawacka』(イギリス)が輝きました。

ポーランド外務大臣主催「最優秀歴史書コンテスト」の賞は2017年より授与されています。本コンテストの目的は、国際的な学術研究の分野においてポーランド共和国の歴史およびポーランド外交の歴史への関心を高めることにあります。

 

写真:ポーランド広報文化センター

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