3月26日、駐日ポーランド共和国大使館にて、関口時正教授への文化功労章「グロリア・アルティス」金メダル授章式が行われました。ポーランド共和国大使館およびポーランド広報文化センターの推薦により関口教授の受章が決定した同章は、来日中のポーランド共和国文化・国家遺産省ハンナ・ヴルブレフスカ大臣により授与されました。式の後には、関口教授による「若きポーランド」に関する講義も行われ、出席者はカロル・シマノフスキやミェチスワフ・カルウォヴィチの音楽とともに芸術作品の興味深い解釈について話を聞くことができました。
関口時正教授は優れた翻訳者であり、日本におけるポーランド語および文化の紹介・普及活動に多大な貢献をされてきた人物です。これまでに、ポーランド外務大臣表彰(2007年)、ポーランド共和国大統領よりポーランド共和国功労勲章「オフィツェルスキ十字勲章」(2009年)、ポーランド共和国文化・国家遺産大臣より文化功労章「グロリア・アルティス」銀メダル(2015年)、ポーランド共和国大統領よりポーランド共和国功労勲章「コマンドルスキ十字勲章」(2020年)をそれぞれ受章されています。2021年には、国外におけるポーランド文学の素晴らしいアンバサダーに対してThe Polish Book Instituteから贈られる最高賞「トランスアトランティック賞」も受賞されました。
関口教授の翻訳作品としてなものは次の通り:ヴィトルト・ゴンブロヴィチ『ブルグント公女イヴォナ』、『ヴィトカツィの戯曲四篇』、『ポーランドのクリスマス聖歌 12のコレンダ』、『カルウォーヴィチ歌曲集』、ボレスワフ・プルス『人形』、スタニスワフ・レム『主の変容病院』・『挑発』、『モニューシュコの家庭愛唱歌集(選)』、アダム・ミツキェヴィチ『祖霊祭 ヴィリニュス篇』、『シマノフスキ歌曲選集』、『ショパン全書簡』(共訳)、ヤン・コハノフスキ『歌とフラシュキ』、『ヘルベルト詩集』。また、関口教授は『ミコワイ・レイ氏の鏡と動物園』の著者でもあり、さらにポーランド語でも『完全にポーランド的ではないエッセイ』など多くの学術書執筆を手掛けています。
関口教授は、ポーランドの良好なイメージの普及に大きく貢献しており、その活動の一環として同氏が共同発起人でもある「フォーラム・ポーランド」年次会議の主催を行うほか、ポーランドと日本の外交関係100周年を記念して2019年に行われた展覧会「ショパン」のパートナーとしても重要な役割を果たしました。加えて、ポーランド広報文化センターの各イベント、特に東京での『ヨーロッパ文芸フェスティバル』にも定期的に参加しています。
現在、関口教授は新たな書籍の執筆に取り組まれています。同氏著『若きポーランド―手がかり』(未知谷より刊行予定)およびユリウシュ・スウォヴァツキ『アンヘリ』の邦訳は、京都で開催中の『〈若きポーランド〉―色彩と魂の詩(うた)1890-1918』展の関連事業として準備されました。同展覧会のオープニングセレモニーは、去る3月24日、京都近代美術館にてポーランド文化・国家遺産大臣ハンナ・ヴルブレフスカ氏出席のもとで実施されました。



