18.09.2025 イベント, 文学

マリア・スクウォドフスカ=キュリーとアルベルト・アインシュタインの往復書簡について――大阪万博ポーランドパビリオン

大阪万博ポーランドパビリオンにおける「ポーランド観光・スポーツウィーク」に際し918日に実施された「ワルシャワ・デー」では、『マリア・スクウォドフスカ=キュリー アルベルト・アインシュタイン 往復書簡集 [1911-1932]』の日本語版刊行記者発表会が開催されました。

21年間にわたりこの二人の天才的科学者の間で交わされていた、両者が互いに尊敬しあい友情を分かち合っていたことの証でもあるこれら書簡を集めた書籍は、2025年初頭にワルシャワでマリア・スクウォドフスカ=キュリー博物館との協働で産業教育発展財団によりまずポーランド語版が、ついで英語版が出版。そしてこのたび、本年9月には、ワルシャワ市観光局およびポーランド広報文化センターの協力により日本語版が刊行されました。

収録されている32通の手紙において、マリア・スクウォドフスカ=キュリーとアルベルト・アインシュタインは自分たちの研究やヨーロッパの科学界が置かれている状況についての議論を交わしただけでなく、日々の出来事を伝えたり、各々の個人的な考えを分かち合ったりしました。本書には、マリアによってフランス語で書かれた手紙とアルベルトによってドイツ語で書かれた書簡原本の複製も掲載されているほか、手紙そのものの翻訳に加え、貴重な写真の数々や解説が内容をより豊かにしています。二人の科学者にまつわる年表や、ヤン・ピスクレヴィチ、トマシュ・ポスピェシュニ、ハノホ・グトフロイントからの寄稿文も掲載されています。

記者発表会の進行を務めたのは本書の企画発案者で共同出版者である産業教育発展財団会長エヴァ・ワブノ=ファレンツカ博士および、ワルシャワ市マーケティング部長代理カミル・ドンブローヴァの両氏であり、途中マリアとアルベルトの手紙が一通ずつ朗読されるというアトラクションもありました。

当日はこの会見に続き、多くの記者やポーランドパビリオン訪問客が参加しての「マリア・スクウォドフスカ=キュリーとの朝食」や「王家のアフタヌーンティー」といった食のイベントが開催され、ハウカと呼ばれる甘くてソフトなパンの盛り付けや王家のデザートの再現を楽しむことができました。ワルシャワ・デーの締めくくりには「フリデリク・ショパンとの夕食会」が開かれ、19世紀当時のワルシャワでふるまわれていたメニューにインスピレーションを得た料理がサーブされたほか、このポーランドの傑出した作曲家の音楽が花を添えました。

ポーランド投資貿易庁とワルシャワ市およびポーランド政府観光局が共同で開催したEXPO2025における「ワルシャワ・デー」に参加しようと会場であるポーランドパビリオンには多くの来場客が訪れました。イベントではワルシャワはダイナミックで近代的なヨーロッパの首都であるとして紹介され、その豊かな歴史や文化的魅力をワルシャワから訪日した諸機関から日本のパートナーにお伝えするまたとない機会となりました。

 

写真:ポーランド投資貿易庁/アドリアン・スティコフスキ

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