4月16日、ピースおおさか(大阪国際平和センター)にて、特別展『ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥』のオープニングセレモニーが催されました。ワルシャワ蜂起から80年を記念するイベントの一環として企画された本展が日本で開かれるのは、広島での初公開(2023年11月15日~2024年2月5日)に続き、この大阪が2会場目となります。
本展は、ワルシャワ蜂起博物館、アダム・ミツキェヴィチ・インスティチュートが大阪国際平和センターと共同で開催するもので、ポーランド共和国大使館およびポーランド広報文化センターの協力を得て実現しました。
オープニングセレモニーでは、パヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使をはじめ、大阪府府民文化部人権局長 榎下朋浩氏、大阪市教育委員会生涯学習部長 西徹氏、大阪国際平和センター館長 片山靖隆氏、ワルシャワ蜂起博物館館長 ヤン・オウダコフスキ氏がそれぞれ挨拶を述べました。
大阪の特別展は、56枚にわたる展示パネル、展示ケース、そして映像上映コーナーから構成され、ワルシャワの歴史を3つの時代に分けて紹介しています。展示はヨーロッパの首都として目まぐるしく発展する戦間期のワルシャワから始まり、ここでは当時の華やかな大衆文化を知ることができます。続いて紹介されているのがドイツ占領下のワルシャワ。ユダヤ人とポーランド人が直面したナチスの迫害政策や、路上での無差別襲撃、過酷な生活環境を強いられていた人々の様子が紹介されており、当時のポーランド地下国家を象徴する複雑な建造物、行政、メディア、教育、ユダヤ人救済委員会「ジェゴタ」、ナチスに対抗した国内軍の活動などにも焦点が当てられています。本展のハイライトとも言えるワルシャワ蜂起に関する内容では、実際に蜂起に参加した人々の回想録や、戦いのさなかにある街の様子、また野戦郵便のポストといった展示とともに、破壊しつくされた1945年のワルシャワの様子を再現した短編映像『廃墟の街』も上映されています。そして展示の締めくくりとなるのは、戦後のワルシャワに関する内容。まさに灰の中から甦る不死鳥のように、現代都市となるべく社会全体の力で復興を遂げた新しいワルシャワの歴史が紹介されています。
本展の関連イベントとして、5月4日から7月27日まで、毎週土曜日に同会場でポーランド映画の上映会も予定されています(ウィークエンドシネマ)。
特別展『ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥』は2024年7月14日まで、大阪の上記会場にてご覧いただけます。
写真:ポーランド広報文化センター、ワルシャワ蜂起博物館/ユリア・シェリツカ=ヤストシェンプスカ、マチェイ・サドフスキ