14.05.2025 イベント, その他, ニュース, ビジュアルアート

【レポート】東京外国語大学にてワルシャワ蜂起博物館展開幕

5月12日、東京外国語大学にてワルシャワ蜂起博物館 展「ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥」が開幕しました。同展は第二次世界大戦の終結80周年を記念して開催されるもので、日本ではこれまでに広島(2023年11月15日~2024年2月5日)、大阪(2024年4月16日~7月17日)、札幌(2024年8月8~30日)、敦賀(2024年11月3日~2025年2月24日)と巡回しており、今回この東京が5つ目の開催地となります。

「ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥」展は、ワルシャワ蜂起博物館およびワルシャワ市の主催、東京外国語大学の共催、またポーランド共和国外務省およびポーランド広報文化センターの協力により実施されるものです。

開幕式当日は、春名展生東京外国語大学学長による歓迎の挨拶につづき、パヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使およびパヴェウ・ウキェルスキ ワルシャワ蜂起博物館副館長が登壇されました。式典には東京外国語大学の教職員および学生が参加しました。

「独裁と重犯罪の世界が再び国家や民族の独立と自由に挑みかかるという不安に満ちた今日、この展示会で語られる物語はとりわけ人々の心に訴えかけます。 私たちがこの式典に出席している今も、ウクライナの一般市民や防衛にあたる兵士たちは、もはや3年以上にわたってロシアの侵略者からの攻撃を退け続けているのです。多くのウクライナの都市は、1944年のワルシャワのように廃墟と化しています。英雄的な都市マリウポリがその象徴となっているとおりです。

しかし、私たちの展覧会には希望のメッセージも込められています。ウクライナ、シリア、そして80年前にポーランドやワルシャワが苦しんだように、今日苦しんでいるすべての国や人々への希望です。今日、美しく近代的でダイナミックな都市となったワルシャワは、まさに灰の中から甦った不死鳥なのです。マリウポリ、アレッポ、そして今日破壊されつつある他のすべての都市も、同じようになると私は確信しています。悪が決して勝利することのないように、復活しなければならないのです」――ワルシャワ蜂起博物館副館長は自身の挨拶においてこのように述べるとともに、式典後には参列者に展示の案内を行いました。

 同展示はワルシャワがたどった命運を3つの時代に分けて紹介しています。まずは戦前の、ヨーロッパの一首都として盛んな文化的活動とともにダイナミックに発展を遂げるワルシャワ。それに続くセクションでは、ドイツ軍占領下のワルシャワでヒトラー政権がユダヤ人やポーランド人に対して行った政策、そして街中で行われたテロ行為や極限の状況下におかれた市民たちの生活を展示します。最後には、まるで灰の中から甦る不死鳥のように、がれきの中からの復活を遂げ、現代のメトロポリスとなったこの都市の復興の様子に焦点を当てます。

「ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥」展は、東京外国語大学 研究講義棟1階ガレリアにて、6月10日まで、平日のみ毎日8:00~20:00の時間帯で公開されています。

 

写真:ポーランド広報文化センター

 

Scheduled イベント その他 ニュース ビジュアルアート