10月11日から13日にかけて、両国のシアターX(カイ)にて、ポーランド・シュチェチンのテアトル・カナによる舞台『可能世界』が上演され、舞台俳優のビビアンナ・ヒミャク、カロリナ・サバト、ダリウシュ・ミクワ、ピョートル・スタジンスキが出演しました。
『可能世界』は、予想のつかないドンデン返しとブラックユーモアに満ちた近未来的物語。4人の人類代表が、人工知能の指示に従い、まるでエスケープ・ルームのような惑星「地球」で究極のサバイバルゲームに挑みます。歌やダンスが、主人公たちのモノローグと絡み合いながら、驚きのフィナーレへと観客を導く作品です。今回の東京公演では、自動音声生成プログラムを用いて作成されたAIの日本語音声も注目を集めました。
作品の脚本作者で、本公演の監督でもあるクシシュトフ・ポピオウェク氏は、テアトル・カナの東京公演の関連企画として、東京外国語大学で『「語り」の危機における物語の普遍化』と題した特別講演も行いました。
3日間の公演および大学での特別講義をとおして、日本の観客からはポーランド演劇に大きな関心が寄せられました。監督・俳優陣と来場者の間で活発な意見交換が行われ、激動の時代における演劇の役割について、興味深い議論が交わされました。
上記のイベントは、ポーランド共和国文化・国家遺産省「2024年 国外におけるポーランド文化普及促進プログラム」の支援を受けています。各企画はポーランド広報文化センター、シアターX(カイ)、東京外国語大学 ポーランド語専攻との協力のもと実現しました。
写真:ピョートル・モタス