11月15日のオープニングセレモニーにより、1945年8月の広島への原爆投下後に倒壊を免れ修復された、旧日本銀行広島支店での展覧会「ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥」の幕が開きました。
この事業はワルシャワ蜂起博物館とアダム・ミツキェヴィチ・インスティチュートによって、ポーランド広報文化センター、広島市の協力を得て実現されました。展覧会はポーランド・日本両国首相の後援を受けています。オープニングセレモニーでは、パヴェウ・ミレフスキ 駐日ポーランド共和国大使が挨拶に立って、アンジェイ・ドゥダ ポーランド共和国大統領からセレモニー参列者に宛てられた手紙を代読し、前健一 広島市副市長、バルバラ・スハボフスカ アダム・ミツキェヴィチ・インスティチュート所長、パヴェウ・ウキェルスキ ワルシャワ蜂起博物館副館長、ウルシュラ・オスミツカ ポーランド広報文化センター所長がスピーチを行いました。セレモニーにはまた苅田知英 在広島ポーランド共和国名誉総領事、広島市役所代表、ジャーナリスト、市民、ポーランド支援者一同が出席しました。
展覧会は70枚を超えるパネル、3個の展示ケース、2台のマルチメディア・スペース、そして映画上映から構成され、3つの時期におけるワルシャワの運命を示しています。戦前のワルシャワの解説から始まります――ダイナミックに発展するヨーロッパの一首都であったワルシャワには、豊かな文化と娯楽生活がありました。展示会の続くパートは、ドイツに占領されたワルシャワを提示しています――ナチス・ドイツ
のユダヤ人・ポーランド人住民に対する政策、路上テロ、極限状態での住民生活です。都市ワルシャワはまた、ポーランド地下国家の首都として紹介され、そこには、秘密組織、行政、メディア、教育、組織「ジェゴタ」、軍隊、国内軍が実行する作戦などがありました。物語のクライマックスはワルシャワ蜂起です。展覧会には蜂起参加者の思い出や蜂起中のワルシャワで使われていた実物――白赤色の腕章、野戦郵便局のポスト、国内軍を指揮していたタデウシュ・コモロフスキ・「ブル」将軍の身分証明書――も含まれています。展覧会のこの部分では、徹底的に破壊されていた1945年の都市を映した映画『廃墟の都市』も上映されています。展示会の最後の部分は、ワルシャワの戦後における復興に捧げられ、都市は灰の中から甦る不死鳥のように、市民の努力により瓦礫の中から立ち上がり、今日では近代的な大都市になりました。
オープニングセレモニーに合わせて、11月15日の夜には、WAKOゲバントホールでマレク・ブラハの記念ピアノコンサートが開かれました。コンサートのプログラムには、戦前のポーランド作曲家たち――イグナツィ・ヤン・パデレフスキとアレクサンデル・タンスマン、戦中の作曲家たち――ミェチスワフ・ヴァインベルクとヴワディスワフ・シュピルマン、そして戦後の作曲家たち――ヴィトルト・ルトスワフスキとグラジナ・バツェヴィチの作品、さらには日本の作曲家 林光の「ワルシャヴャンカ変奏曲」が入りました。3部構成のコンサートの曲目は、展覧会『ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥』の構成にそのまま基づいて並べられていました。
展覧会と同時開催されたもう一つのイベントは、11月17~19日に広島市映像文化ライブラリーで
行われたワルシャワ蜂起メモリアル上映会です。アンジェイ・ワイダ監督『地下水道』、ヤン・コマサ監督の『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』と『ワルシャワ蜂起』(記録映画)上映の前には、ワルシャワ蜂起博物館代表による解説がありました。
展覧会『ワルシャワ。灰の中から甦る不死鳥』は、2024年2月5まで、広島で一般公開されています。
催事の一環として、日本語・英語版図録が出版されました。ワルシャワ蜂起博物館の指導を受けた日本語ガイドによる展示ツアーへの参加に関心がある方は、ワルシャワ蜂起博物館ウェブページの日本語で作成された特別のブックマークから情報を入手することができます――www.warsaw1944.jp.
広報活動の一環として広島市の中心アーケードに、展示会を告知するポスターが数十枚張り出されました。
ワルシャワ蜂起博物館による動画報告: https://youtu.be/WNwQ6hI0gPA
写真:ポーランド広報文化センター / 下坂涼(M-create)
主催:
ワルシャワ蜂起博物館
首都ワルシャワ
アダム・ミツキェヴィチ・インスティチュート
文化・国家遺産省