ポーランド大使館で開催されたフォーラム・ポーランド会議に際して、日本でのポーランド文化普及における偉大な業績に対し、ポーランド文化・国家遺産大臣から沼野充義教授に授与された「ポーランド文化功労章グロリア・アルティス」の授章式が行われました。パヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使より、教授夫人の沼野恭子様がメダルを受け取られました。
沼野充義教授は、ポーランド文学の傑出した翻訳者、文学に関する重要な著書の執筆者、また評論家、エッセイストにして、ポーランド文学普及促進の偉大なる立役者であり、またポーランドおよび世界の文学に関する著作も多く書かれました。これまでにポーランド文化功労章を受章しているほか、読売文学賞、日本におけるポーランド文学普及の顕著な業績に対して与えられるベネディクト・ポラク賞の受賞者でもあります。
沼野教授は、スタニスワフ・レムの最も有名な作品である『ソラリス』の翻訳者であり、そのほかレム作品の翻訳には、その一端を挙げれば『枯草熱』、『金星応答なし』、『完全な真空』などがあります。2004~2017年にかけて、沼野教授の編集のもと、6巻本の「スタニスワフ・レム コレクション」が刊行されました。また教授は、イグナツィ・クラシツキ、スワヴォミル・ムロージェク、ヴィスワヴァ・シンボルスカらの作品の翻訳も手がけてこられました。チェスワフ・ミウォシュの『ポーランド文学史』翻訳者の一人でもあります。
ポーランド広報文化センターとの共催事業も多く手がけられ、シンポジウム「ジョセフ・コンラッドとポーランド」や、東京で開催されている「ヨーロッパ文芸フェスティバル」でのパネル・ディスカッション登壇など、文化イベントにも多く参加されてきました。
写真:フォーラム・ポーランド、ポーランド広報文化センター