6月28日、日本国皇嗣秋篠宮文仁親王殿下・親王妃紀子ご夫妻は、ポーランドご訪問の日程を始められました。ご訪問は、日本・ポーランド両国の外交関係樹立100周年を機に、取り行われるものです。
金曜日の午前中に、大統領府前庭で親王ご夫妻をお迎えする公式式典が催されました。引き続き、アンジェイ・ドゥダ大統領、大統領夫人とのご歓談が行われ、終了後、アガタ・コルンハウゼル=ドゥダ大統領夫人は紀子妃殿下をロココの間でのご懇談に招かれました。親王妃殿下は、自らが後援されている、青少年の読書振興のための国際機関である国際児童図書評議会(JBBY)について、また予定されているポーランド国際児童図書評議会ご訪問について、お話しになられました。
親王妃殿下は、かつてご両親とともにクラクフなどを訪れた思い出についても、お話しになられました。大統領夫人の生まれ故郷でもあるクラクフは、日本における京都がそうであるように、ポーランドでは文化の首都とされています。親王妃殿下と大統領夫人は、伝統と現代が多次元で結合していることなど、両国の類似点についても話題にされました。ご懇談の最後に、アガタ・コルンハウゼル=ドゥダ夫人は、親王妃紀子さまに、ご自身からの記念の品をお渡しになりました――日本語に翻訳された、クラクフ伝説集です。次に、親王妃殿下と大統領夫人は、大統領ご夫妻が親王ご夫妻を歓迎して催された、公式朝食会に向かわれました。
夕刻に、大統領ご夫妻と親王ご夫妻は、国立劇場で、両国外交関係100周年を記念して上演された、能の舞台を観劇されました。大日本帝国は、イグナツィ・パデレフスキ首相政府を認証した、アジアで最初の、そして世界で5番目の国家でした。
翌6月29日、親王ご夫妻はクラクフで、ヤギェロン大学、ヴァヴェル王城、日本美術技術博物館〔マンガ〕などをご見学になりました。秋篠宮親王は、次のように述べられました――「日本・ポーランド国交樹立100周年という大切な記念の年に、親王妃とともにポーランドとポーランドの歴史的首都クラクフの土を踏むことができ、このうえなく嬉しく思います。2002年に天皇皇后両陛下も訪れられた、この美しい中世都市の訪問を、待ちきれぬ思いで待っておりました」さらに、「クラクフは日本の古都である京都同様、とても豊かな歴史を有し、日本人にとても人気があります」と付け加えられました。
6月30日の日曜日に、親王ご夫妻は、ワルシャワのマリア・スクウォドフスカ=キュリー博物館を見学されました。スワヴォミル・パシュキェト博物館長は、またとないこの機会に備えて、日本語におけるマリア・スクウォドフスカ関係書籍展を設けた旨、伝えられました。「ここに並べられている本は、見学する方々に、博物館の展示のテーマであるキュリー夫人のいかに多様な相貌が示されているか、彼女の特長のうちどの側面が日本人によって強調されているかを教えてくれるはずです」と説明されました。「ポーランド出身のノーベル受賞者であるキュリー夫人は、《桜咲く国》日本でとても人気があり、成人向け・子ども向け漫画の主人公ともなり、また日本にはマリア・スクウォドフスカ=キュリーの記念碑も建てられています」
同日、親王ご夫妻はウォヴィチ市を訪れ、同市博物館でウォヴィチ民族展を見学され、また野外博物館で切り絵製作教室に参加されました。秋篠宮親王は、同市を見学されるきっかけの一つとなった、土着の豊かな伝統と長い歴史に感銘を受けた、と述べられました。
ポーランドご訪問は、2019年5月1日に秋篠宮殿下の兄宮にあたる徳仁天皇が天皇家の皇位を継承されてから最初の、ご皇族による外国ご訪問です。月曜日にはベルヴェデル大統領府において、親王ご夫妻との公式歓送会が催されました。