26.03.2024 イベント, ニュース, 演劇・ダンス

ポーランドと日本の共同制作によるゴンブローヴィッチ『N/KOSMOS-コスモス』舞台公演 報告

3月21~24日、東京芸術劇場で、ヴィトルト・ゴンブローヴィッチの長編小説『コスモス』を原作とし、小池博史が演出した、ポーランドと日本のアーティストたちの共同制作による舞台の日本公演が行われました。

本演目は2023年1~2月、小池博史によるヴロツワフのイェジ・グロトフスキ研究所での滞在制作中に誕生しました。ヴィトルト・ゴンブローヴィッチ生誕120周年に合わせて、2024都民芸術フェスティバルの一環として、『N/KOSMOS-コスモス』のタイトルで東京芸術劇場において再演されたものです。

小池博史は、多彩な文化の古典的作品を国際的・超文化的キャストで舞台化する、巨大な小池博史ブリッジプロジェクト(HKBP)で知られる、著名な演出家です。ポーランド芸術を熱愛し、多年にわたりイェジ・グロトフスキとブルーノ・シュルツの創作に関心を持ち、ゴンブローヴィッチの舞台上演は90年代から企画していました。

 

舞台『コスモス』をめぐる共同作業に演出家の小池が招待したのは、さまざまな文化伝統を背景に持つポーランドと日本のアーティストたち。観客は舞台上に伝統的な日本演劇である能の諸要素、そして振り付けと舞踊の現代的フォルムを目撃しました。上演中、俳優たちは自らの母国語、すなわちポーランド語・日本語・アルメニア語を用いました。

 

ヴァツワフ・ジンペルが舞台音楽を作曲し、能演劇で使われる小太鼓〈小鼓〉を演奏する今井尋也とともに、クラリネットで生演奏しました。

 

上演に伴って、特別ゲストとのアフタートークが行われました――ヴィトルト・ゴンブローヴィチの創作についての著作者である立命館大学・西成彦教授と演出家・映像作家の山城知佳子です。

 

この企画は、極東の演劇・演劇の伝統とヨーロッパを結び付けるインランディメンションズ国際アートフェスティバルの一環として、スタートしました。フェスティバルは2019年から、イェジ・グロトフスキ研究所と架け橋財団との共同制作です。

写真:小池博史ブリッジプロジェクト(HKBP)、イェジ・グロトフスキ研究所、ポーランド広報文化センター

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