22.08.2022 ニュース

山口和夫氏と九代目岩野市兵衛氏への「ポーランド文化功労章」勲章授与

8月19日に駐日ポーランド共和国大使館にて「ポーランド文化功労章」勲章授与式が執り行われました。ドゥシュニキ=ズドルイ紙の博物館の申請により、ポーランド共和国副首相兼文化・国家遺産大臣のピョトル・グリンスキ教授は、山口和夫氏と岩野市兵衛氏にポーランド文化功労章勲章を授ける決定を下しました。勲章はパヴェウ・ミレフスキ駐日ポーランド共和国大使によって授与されました。勲章は授章者のご子息である山口和憲氏と岩野順市氏が受け取りました。

2021年、山口和夫氏はドゥシュニキ=ズドルイ紙の博物館に一家代々の紙工房を寄贈されました。それによって、ポーランドは博物館の収蔵品の中に日本の手による紙製造と関連する貴重な品を持つことを誇れる、ヨーロッパで数少ない国の一つとなりました。この貴重な寄贈品はすでに2021年にクラクフの日本美術技術博物館マンガで展示され、2022年7月からはドゥシュニキ=ズドルイ紙の博物館で見学できます。山口和夫氏の紙工房は越前和紙コレクションと合わせて、紙の博物館において、ヨーロッパにおける日本の紙業関連の最も貴重なコレクションをつくりあげています。

九代目岩野市兵衛氏は紙業の偉大なる名匠であり、歴史的な和紙製造技術に通暁した人物です。それによって、特別の名誉である人間国宝の称号を受けられました。氏はまた、日本最高の紙工房の一つを主宰しておられます。九代目岩野市兵衛氏は手による和紙紙漉きの原初的で高貴な技術に関する根源的な知識を、ポーランドの修復家と紙業史家に伝達しました。それに加え、九代目岩野市兵衛氏から伝えられた情報を基に、ポーランドでは2冊の本が出版されましたが、これらは日本における紙業の伝統に関する知識の百科全書です。

写真: 小山アンナ、ポーランド広報文化センター

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